日時:平成13年3月27日(火) 場所:環境サポートセンター 多目的ホール 講師:尾本 直隆(おもと なおたか)先生 (北電総合研究所) 内容:『石狩川の環境とチョウザメの生態について』
尾本:あれは、チョウザメを養殖して町おこしをしようということです。キャビアを採ることも最終目的にありますが、何しろ10年かかるし、なかなかコストを考えると厳しいので、肉が美味しいのでまず肉を出していって、キャビアも、という事です。
尾本:選ばないみたいですね。カスピ海とかもかなり汚い。チョウザメがいる川は、いわゆる澄んだ川ということはないですね。みんな泥水で。特に水についてはうるさくないのじゃないかと思います。化学物質については分かりませんが。それだけ生命力が強いのにどうしていなくなったかというと、成熟するまでに14年、大きなやつは20年かかります。そうしてやっと川に卵を産みに戻ってきたチョウザメをキャビアを採るために殺しますから。チョウザメというのは本来卵を産んでその場で死ななければ何年かしてまた卵産みに戻ってきます。だけど、キャビアを採るときは殺します。それが一番の原因で、あとは非常に大きいので、川に許容量がないと。例えば浅かったり流れが速かったりすると、川に昇れなくなる。
尾本:三峡ダムという大きいダムが出来るのです。それで産卵を阻害されるということで、非常に心配して研究所を作って研究しています。
尾本:英語ではStergeonという独自の名前がちゃんとついていまして、その卵がキャビアです。サメとは全く違います。キャビアは3mm位です。サメは直接子供を産む胎生のものもいますし、サメの卵は大きいです。サメを食べる習慣がある地域があるのですけど、そこで食べる味を想像してもらうと困る。僕は食べたことありますが、サメのようなアンモニアくささがない。
尾本:もういなくなってしまっているから、検証のしようがないですが、やっぱり2m位の魚ですので、それだけ大きな魚は当然水の抵抗を受けます。だからある程度澱んだ場所が必要だと思います。それから、2mの魚の腹をいやすだけの小動物(小さな魚や海老やミミズの仲間)がいないと駄目だと思います。成長はその位になるとゆっくりなので大して食べないですが、ひっくり返さないと口がないので、下に落ちているものしか食べられない。他の魚と一緒に飼ったことあるのですけど、えさが下に落ちるまでに他の魚が全部食べてしまって、全く食べられない。そういうところも、全滅に至った一つの原因だと思います。いくら生命力が強くても。ダウリアチョウザメだけ口が前に付いていて、魚を食べるような口になっています。
尾本:まず飼う以前に、今入手できるのはベステルという種類です。昔石狩川にいただろうという種類についてはまず手に入らないです。だから別の種類を飼った場合、これは石狩川に放してはいけない、という配慮が必要です。それを前提に、チョウザメを啓蒙の為に飼うということであれば、姿形は似ているのでベステル種を飼うのが良いと思います。ベステル種は飼いやすいです。
尾本:もといた種類であれば、放しても良いみたいですね。でも放流は国とか道レベルでしか聞いたことがないですが、例えば企業でやるのは抵抗があるので、市民レベルでやるというのは良いと思います。ぜひ、石狩川でチョウザメが泳いでいるのを見てみたいですね。子供が、竜だ!と叫んで上に飛び乗ったという話も残っていますけど。 今生き残っているのは、少し変わった環境なのですね。非常に大きな川の河口であったり、カスピ海や黒海もそうなんですけど、あそこは塩分が海水の1/3で、汽水域というんですが、小動物がすごく豊富なんです。茨戸川は昔直線化されていなかった頃は、ずっと汽水だったと思います、今でも海水が江別くらいまで入っているらしいですが。 ダウリアチョウザメについては、アムール川でサケを食べているという文献があります。北海道ではサケが大事な魚ですから、大きな声で言えないですね。ただ、昔石狩川にいたチョウザメの方は魚を食べないと思います。サケを食うやつは、5mにもなる。それは研究できる範囲を超えています。天塩川では5.6mのチョウザメが大正4年に捕れたそうですけど、鉄砲で撃ったそうです。
尾本:あれは、わざわざ江戸で作らせたそうです。チョウザメといって祭ってないんですよね。鮫様として祭っている。それを受けた江戸の職人さんは普通のサメだと思ったんでしょうね。石狩、天塩川ではチョウザメと言わないでカワザメと言ってたんです。でも、サメを祭ったというのはそこ以外聞いたことないですね。
尾本:います。
尾本:国内に国際Stergeon交流協会というチョウザメ好きの人達の集まりがあって、その人達はお金を払えば、サハリンから持って来れる、と言っていますね。その組織とは別に日本チョウザメ研究会というのもあります。世の中にはどんな手を使っても手に入れようという人がいますが、ただチョウザメは、全種類ワシントン条約の対象になっているので、正式に輸入となると手続きが必要です。