我々の豊かさと自然(地球)を両立させる心地よい空間の創造
−近自然学のススメ −
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近自然学は、主にスイス・ドイツの考えを基に、地球上で豊かな暮らしを世代を越えて持続するため、環境共生共存の視点から人間活動の見直しと再構築をはかるための科学(理念・方法・実践)として体系化がはかられつつあるものです。日本でも地球環境問題の深刻化を受けて、河川法の改正や自然再生推進法の制定などの法整備が進んでいますが、近自然学は、これらの基本的理念として取り入れられています。
今回は、近自然学の発祥の地であるドイツバイエルン州とスイスチューリッヒ州から川づくりの実務家および近自然学の理論家3名を迎え、近自然学についての理解を深めるための
ワークショップです。
平成16年4月25日、北海道工業大学講義室にておよそ80名が参加して講演会が開催されました。第一部は、昨年に続いてスイスよりおいで頂いた山脇正俊先生より近自然河川工法の背景となる共生理念を中心に講演いただく。第二部は、ドイツはバイエルン州ヴァルハイム水利局のカール・ライトバウアー氏よりバイエルン州における近自然河川工法の取り組みを中心にドイツにおける近自然学の実際とその背景となる思想を語っていただいた。通訳は山脇先生にお願いした。その後の懇親会においても多数出席いただき、ドイツからお越しの講演者を交えての
飲食と歓談に、和やかなパーティーとなった。
翌月26日、専門家を対象とした現地検討会を尻別川、真狩川の上流にて開催。
小樽土木現業所の協力をいただいて実施。今だ肌寒い喜茂別町から真狩村をフィールドに全員が精力的に視察。小樽土木現業所の方々の親身な解説を受け参加者の熱心な質問やカールさんアントンさんを交えた山脇先生の解説に参加者一同寒さを忘れてメモや写真ととっていた。また、休憩に寄った京極の吹き出し公園では、めいめい昼食をとり、冷たい吹き出し水を飲み買い求めて、和気藹々とくつろいだ。
二日間のワークショップにお付き合い頂いた、ドイツからのお二人と山脇先生にここで改めてお礼申します。また、同様に参加いただいた多くの方々にも厚くお礼もうします。今回の二日間に渡るワークショップの報告書を制作しております。完成の暁にはご報告しますので、その際は是非お求めください。
一方の主催者として茨戸川環境市民フォーラムより皆様に感謝します。ありがとうございました。
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内 容
1. 市民を対象とした講演(無料)
・ドイツ バイエルン州おける河川の近自然化 ―急流河川の事例―
カール・ライトバウアー (ドイツ バイエルン州ヴァイルハイム水利局)
(通訳:山脇 正俊)
・近自然学のススメ ―我々の豊かさと自然との共存・持続のために―
山脇 正俊(スイス近自然工学研究所代表)
場所:北海道工業大学合同講義室(札幌市手稲区前田7条15丁目)
日時:平成16年4月25日




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講師紹介
カール・ライトバウアー
アントン・グリュナウアー
二人は、ドイツ・バイエルン州ヴァイルハイム水利局(日本の国土交通省地方整備局河川部に相当)でガルミッシュ=パルテンキルヒェン地区を担当している。彼らの近自然河川工法は、独特でありながら的を得た理論と鋭い直感力、しっかりした土木技術、そして何より生まれ育った故郷の川に対する愛情の支えにより、素晴らしい事例を次々と生み出している。
バイエルン州では、大工事以外は水利局が自ら持つ河川マイスター事務所が直轄で工事する。ここを統括する河川マイスターは、州の国家試験で認定された職工最高の称号である。ライトバウアー技師は、担当地区においてグリュナウアー氏という河川マイスターに恵まれ、この2人が絶妙のコンビを発揮している。この2人は、非公式に実験的な川づくりを試み、新しいアイデアを次々と開発している。しかも自分たちが納得いくまで、現場の手直しを繰り返し、それが素晴らしい結果を生んでいる。
多くの現場で河川の持つ自然のダイナミクスを回復させ、エコシステムからもランドシャフトからも親水性からも劇的な向上をもたらせた。
また、急流河川のカルトヴァッサーライネ川では堰堤式の砂防を石積み河床固定式に改める先進的な試みを1988年に成功させた。さらには、ラーネンヴィースグラーベン川など数河川で、スチール・ネットによる廉価で効果的な流木止めを実用化した。
山脇正俊
1950年、高知県生まれ。スイス・チューリッヒ州永住。
86年より近自然河川工法へ関わり、現在、近自然学(地球環境と人との共生共存の包括的理念)や近自然工学、さらにその具体的応用である近自然工法(川づくり、道づくり、まちづくり、など)の研究をライフワークとする。
近自然川づくりに関するシンポジウム(1995年、2000年)を企画実施し、自ら講演と同時に通訳も引き受ける。近自然学・近自然工学の啓蒙普及を目的とした技術セミナーの実施や、スイス・ドイツへの視察研修をコーディネート。スイス・ドイツにおけるレクチャーや現場視察への参加者は、年間300名を下らない。
スイス・ドイツの官学産民の主要なオピニオン・リーダーを集めたスイス・ドイツ近自然河川工法研究会(河川改修、下水道、交通計画、都市計画、プランニング、生態学、自然・景観・野鳥・野生動物保護、他)において事務局を務め、日欧専門家間のパイプ役を果たしている。
また、チューリッヒ州建設局より近自然工法技術アドバイザーとして指名され、特に近自然工法の理念面の研究と支援を受け持つ。
4月17日には、これまでの成果をまとめた「近自然学」が出版される。
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